008.蛮域〈1〉
008.蛮域〈1〉
――それはいつ頃からか、未踏の山岳地帯と呼ばれた断崖。 厚い雲を貫く絶壁から、絶え間無く流れ落ちる大瀑布。 何者をも拒み続けた絶壁を縫うように道は続く。 ハンターズギルドはそこを「高地」と名付けたものの、その全貌は未だ謎に包まれている―――― そこに五頭のランポスと、それに跨ったチャチャブーが五匹、そしてハンターが四人、今し方辿り着いたところだった。 ベースキャンプと定めた一角に天幕を張り、必要な物資を展開していく。携帯食料や応急薬、携帯砥石などを、少ないながらに設置した支給ボックスの中から取り出していく。「ここが高地……まるで天上の世界だな。眼下に雲海、林立せし岩石は奇岩揃い。人類にとって未踏であれば、モンスターにとっても未踏であろう」 ゼラフが辺りを警戒するように視線をさ迷わせるも、前言通り、人影など勿論無く、小型のモンスターの影ですら見当たらない。 吹き荒ぶ風だけがBGMの静かな世界で、リスタは所持している唯一の武具である小盾を確認すると、ゼラフを一瞥して、――鼻で嗤った。「カッ、そりゃモンスターも人間様も侮った物言いだぜゼラフ」リスタは親指で背後を指し示す。「あの吊り橋は自然が作り出した芸術って事か?」 ベースキャンプから先の狩猟地――高地の入り口として見える吊り橋は、古びてあちこち綻びが見られるものの、人間が通行する分には問題無さそうな状態で架けられている。 ゼラフは肩を竦めて、「足跡を探せばどこにだって有る、それが人界の習わしだからだ。問題はそんな領域にそれ以上の足跡を刻むモノが居るかどうか、だろう?」と吊り橋に歩み寄って凭れ掛かる。「おい、気を付けろよゼラフ」リスタは急に真顔になってゼラフを指差した。「ここは狩猟地であると同時に自然の領域だぜ? 牙を剥かれる前に右を見て左を見て、上も見るべきだな」「分かっているとも、敵は何も竜種ばかりじゃない、自然ですら脅威である事など――」嘲るように天を仰いだゼラフは、瞠目して咄嗟に前転――直後に落石が今し方ゼラフが居た場所に直撃し、道が若干崩れてしまった。「なっ、なっ、なっ……!」「警告はしたぜ。俺達は大自然の胃袋で這い回る寄生虫みてェなもんだ、ちょっと胃酸が増えりゃ即クソになる」 ぽん、とゼラフの肩を叩いて吊り橋を渡って行くリスタに、ゼラフは腰を抜かしたまま呆然とした表情を覗かせていたが、急に真顔になると、震える指で前髪を跳ね除ける。「ふ……ふふ……ふふはは。良いだろう自然よ、大自然よ! 我が天命を以てお相手仕ろうではないか! だ、だが、匙加減は慎重にしてくれたまえよ、私と対等に相争うのであれば、そう、全身全霊は些か卑怯ではないかな……っ?」「ゼラフく~ん、何してるの~? リスタ君、行っちゃうよ~」「クーリエ、今は、そっとしておこう」 痴態を晒すゼラフの脇をトコトコ歩いて通り過ぎるクーリエと、残念なものを見る眼でゼラフを一瞥して通り過ぎるシアなのだった。「行ガないっちゃ? 置イでがれるっちゃよ?」 フウッチャが不思議そうにゼラフを見つめていると、ゼラフはやっとその時になってベースキャンプに置き去りにされている事に気づき、大慌てで立ち上がって走り出す。「ままま待ちたまえよー?! 大自然の猛威には総員注力して挑むべきではないかなー?!」 ドタバタ駆け出して行くゼラフを見送ると、フウッチャと四匹のチャチャブーはけらけら笑った後、ベースキャンプから見える景色を眺めて、陶酔したような溜め息を漏らした。「良ギ風景っちゃ! 奴らガ帰っデくるまでに、描グっちゃ、描グっちゃ!」『描グっちゃ!』 フウッチャは大きな画板を取り出すと、奇面の中に隠していた絵筆を引き抜き、早速スケッチに取り掛かった。
◇◆◇◆◇
「――さて、イワヒメ草だが、本来なら狩猟地の高地であれば大体探さなくてもすぐ見つかるぐらい有り触れた野草なんだが、見渡す限りねェなこりゃ」 大瀑布が大河へと連なっているエリアに辿り着いて、すぐにリスタがそう告げた。 辺りに草花の姿は見受けられるが、それも一瞥しただけで判断してしまうのは、流石に三人にとっては違和感が有った。「リスタ、イワヒメ草って、見た事、有るの?」「実物はねェな。ただ口伝と図鑑で知識として全部おつむに納まってる」トントン、と自分のこめかみをつつくリスタ。「どういうポイントに生えてるか、どういう色なのか、どういう形なのか、観りゃ判る。それがねェって事は、カタリのババアが答を言ってた事になる」「乱獲……」シアが険しい表情で呟く。「許せない……」「と言う事は~、高地の~、奥地まで~、行かないと~、なのかな~」 クーリエの間延びした声に、リスタは首肯を返す。「そういうこった。ババアの言う通り、大型の竜が闊歩してる領域に足を踏み入れなきゃならねェって事だな」大瀑布の隣の、奇岩が出っ張っている絶壁を見上げる。「頂上目指すぜ。ここにねェなら、よりハンターが入り込めねェエリアまで登るしかねェ」「天界の更に上へ、か。神々しい歌声が聞こえてきそうだな、私達もラッパの準備でもするか?」 ゼラフが軽口を囀って間も無く、辺りが暗くなる程の暗雲が垂れ込み始めた。ゴロゴロと雷が雲の中で唸っている音まで響き始める。「一雨来るなこりゃ。高地の天候は変わり易いって聞いてたが、まさかこんな速度とは思わなかったぜ」リスタは早速自ら岩壁にしがみつき、器用に右手と両足だけで登っていく。「急ぐぞ、視界が遮られる前に頂上を目指す」 リスタの言葉に三人は頷き、それぞれ岩壁にしがみついて登りつめていく。 この時既にリスタは違和感に気づいていたが、その違和感が正しく問題であるかを判定するのは頂上に着いてからだと、口や表情に出す事は無かった。 高地の中腹に差し掛かった所で土砂降りになり、辺りは白雨で視界が遮られつつあった。そんな中でもリスタの観察力が有ればこのエリアにイワヒメ草が生えているかどうかを確認できない事は無い。 結論から言えば一本も見つかる事は無く、このまま頂上へ向かう事を決断せざるを得なかったのだが、そこでリスタは岩壁を登る前に三人に声を掛けた。「おう、お前ら。もし頂上に着いても何も言うなよ」「頂上にも、無いかも、って事?」シアが小首を傾げる。「それも有る」感情を載せない顔でリスタは頷く。「それも含めて、“何も言うな”」 言外に何かしらの異常が有る可能性を認識した三人は、慎重に頷き返し、それを見たリスタはそれ以上言葉を掛ける事無く再び岩壁を登り始めた。 長い長い絶壁を登り詰めたリスタが頂上に辿り着き、そこに見える景色、そこに存在するモノを見て取った瞬間、獰猛な笑みを出さずにいられなかった。 ゆっくりと後続のハンターに道を譲り、自らはイワヒメ草が生えているポイントを探すべく音を立てずに、気配を殺して歩を進めていくリスタ。 そんなリスタの後を追って頂上まで登り詰めた三人が視認したのは、――大型モンスターが退屈そうに頂上のエリアを闊歩している姿だった。 高地に来た事が初めてなら、その大型モンスターを見たのもこれが初めてだった。 青銅のような青い甲殻と鱗を纏った飛竜種。頭の先には鋭く長い角が伸びているのが特徴だろうか。その大きさは人間の何倍も有る。噛みつかれただけで成人男性なら頭から胴体の半分まで根こそぎ持っていかれるだろう。 そんな怪物が、くわぁ~っと暢気に欠伸をして佇んでいる。 シアもゼラフもクーリエも、同時に声を上げそうになり、同時に三人が三人、別々の口を押さえて沈黙を強制した。 互いに口を押さえられた状態で、互いに目配せし合い、コクコクと頷き合うと、気配を殺して、物音を立てないようにリスタを追い駆ける。 リスタは採集ポイントを丁寧に確認し終えたところで、難しい表情を浮かべて三人を振り返ると、小さく首を否と振った。ここにすらイワヒメ草は無いと。 三人はそんなリスタの反応を意に介さず、「アレは何だ!」「聞いてないぞ!」と必死に物音を立てずにジェスチャーして表現するも、彼は面倒臭そうにメンチを切り返すだけで応えなかった。 そのまま地続きの洞窟エリアへと進んで行くリスタに、必死に追い縋る三人。 パキリ、と。 洞窟の入り口に差し掛かったところで、ゼラフが小枝を踏み潰した音が、微かに頂上のエリアに響いた。 まさか――まさかこんな土砂降りの中で、そんな小さな音に反応する訳が――――と恐る恐る振り返ると、謎の青き飛竜は明らかにこちらに意識を向けており、ゆっくりと鎌首を擡げると、「――バオオオオォォォォ―――――ッッ!!」大音声の怒号を張り上げ、凄まじい勢いで駆け出した。「ウワァーッ!?」遂に我慢の限界だったゼラフの口から叫喚が漏れ、咄嗟にボーンランスの盾と槍を構え、ガードの体勢に入った。 その声が合図だったように、リスタは取って返すように全力で青き飛竜に向かって駆け出して行く。 シアは咄嗟に距離を取り、クーリエは落ち着いた様子でクロオビボウガンを構え、即時に臨戦態勢が整う。 土砂降りの雷雨の中、未知の飛竜との狩猟が、そうして幕を開けた。
――それはいつ頃からか、未踏の山岳地帯と呼ばれた断崖。
厚い雲を貫く絶壁から、絶え間無く流れ落ちる大瀑布。
何者をも拒み続けた絶壁を縫うように道は続く。
ハンターズギルドはそこを「高地」と名付けたものの、その全貌は未だ謎に包まれている――――
そこに五頭のランポスと、それに跨ったチャチャブーが五匹、そしてハンターが四人、今し方辿り着いたところだった。
ベースキャンプと定めた一角に天幕を張り、必要な物資を展開していく。携帯食料や応急薬、携帯砥石などを、少ないながらに設置した支給ボックスの中から取り出していく。
「ここが高地……まるで天上の世界だな。眼下に雲海、林立せし岩石は奇岩揃い。人類にとって未踏であれば、モンスターにとっても未踏であろう」
ゼラフが辺りを警戒するように視線をさ迷わせるも、前言通り、人影など勿論無く、小型のモンスターの影ですら見当たらない。
吹き荒ぶ風だけがBGMの静かな世界で、リスタは所持している唯一の武具である小盾を確認すると、ゼラフを一瞥して、――鼻で嗤った。
「カッ、そりゃモンスターも人間様も侮った物言いだぜゼラフ」リスタは親指で背後を指し示す。「あの吊り橋は自然が作り出した芸術って事か?」
ベースキャンプから先の狩猟地――高地の入り口として見える吊り橋は、古びてあちこち綻びが見られるものの、人間が通行する分には問題無さそうな状態で架けられている。
ゼラフは肩を竦めて、「足跡を探せばどこにだって有る、それが人界の習わしだからだ。問題はそんな領域にそれ以上の足跡を刻むモノが居るかどうか、だろう?」と吊り橋に歩み寄って凭れ掛かる。
「おい、気を付けろよゼラフ」リスタは急に真顔になってゼラフを指差した。「ここは狩猟地であると同時に自然の領域だぜ? 牙を剥かれる前に右を見て左を見て、上も見るべきだな」
「分かっているとも、敵は何も竜種ばかりじゃない、自然ですら脅威である事など――」嘲るように天を仰いだゼラフは、瞠目して咄嗟に前転――直後に落石が今し方ゼラフが居た場所に直撃し、道が若干崩れてしまった。「なっ、なっ、なっ……!」
「警告はしたぜ。俺達は大自然の胃袋で這い回る寄生虫みてェなもんだ、ちょっと胃酸が増えりゃ即クソになる」
ぽん、とゼラフの肩を叩いて吊り橋を渡って行くリスタに、ゼラフは腰を抜かしたまま呆然とした表情を覗かせていたが、急に真顔になると、震える指で前髪を跳ね除ける。
「ふ……ふふ……ふふはは。良いだろう自然よ、大自然よ! 我が天命を以てお相手仕ろうではないか! だ、だが、匙加減は慎重にしてくれたまえよ、私と対等に相争うのであれば、そう、全身全霊は些か卑怯ではないかな……っ?」
「ゼラフく~ん、何してるの~? リスタ君、行っちゃうよ~」
「クーリエ、今は、そっとしておこう」
痴態を晒すゼラフの脇をトコトコ歩いて通り過ぎるクーリエと、残念なものを見る眼でゼラフを一瞥して通り過ぎるシアなのだった。
「行ガないっちゃ? 置イでがれるっちゃよ?」
フウッチャが不思議そうにゼラフを見つめていると、ゼラフはやっとその時になってベースキャンプに置き去りにされている事に気づき、大慌てで立ち上がって走り出す。
「ままま待ちたまえよー?! 大自然の猛威には総員注力して挑むべきではないかなー?!」
ドタバタ駆け出して行くゼラフを見送ると、フウッチャと四匹のチャチャブーはけらけら笑った後、ベースキャンプから見える景色を眺めて、陶酔したような溜め息を漏らした。
「良ギ風景っちゃ! 奴らガ帰っデくるまでに、描グっちゃ、描グっちゃ!」『描グっちゃ!』
フウッチャは大きな画板を取り出すと、奇面の中に隠していた絵筆を引き抜き、早速スケッチに取り掛かった。
◇◆◇◆◇
「――さて、イワヒメ草だが、本来なら狩猟地の高地であれば大体探さなくてもすぐ見つかるぐらい有り触れた野草なんだが、見渡す限りねェなこりゃ」
大瀑布が大河へと連なっているエリアに辿り着いて、すぐにリスタがそう告げた。
辺りに草花の姿は見受けられるが、それも一瞥しただけで判断してしまうのは、流石に三人にとっては違和感が有った。
「リスタ、イワヒメ草って、見た事、有るの?」
「実物はねェな。ただ口伝と図鑑で知識として全部おつむに納まってる」トントン、と自分のこめかみをつつくリスタ。「どういうポイントに生えてるか、どういう色なのか、どういう形なのか、観りゃ判る。それがねェって事は、カタリのババアが答を言ってた事になる」
「乱獲……」シアが険しい表情で呟く。「許せない……」
「と言う事は~、高地の~、奥地まで~、行かないと~、なのかな~」
クーリエの間延びした声に、リスタは首肯を返す。
「そういうこった。ババアの言う通り、大型の竜が闊歩してる領域に足を踏み入れなきゃならねェって事だな」大瀑布の隣の、奇岩が出っ張っている絶壁を見上げる。「頂上目指すぜ。ここにねェなら、よりハンターが入り込めねェエリアまで登るしかねェ」
「天界の更に上へ、か。神々しい歌声が聞こえてきそうだな、私達もラッパの準備でもするか?」
ゼラフが軽口を囀って間も無く、辺りが暗くなる程の暗雲が垂れ込み始めた。ゴロゴロと雷が雲の中で唸っている音まで響き始める。
「一雨来るなこりゃ。高地の天候は変わり易いって聞いてたが、まさかこんな速度とは思わなかったぜ」リスタは早速自ら岩壁にしがみつき、器用に右手と両足だけで登っていく。「急ぐぞ、視界が遮られる前に頂上を目指す」
リスタの言葉に三人は頷き、それぞれ岩壁にしがみついて登りつめていく。
この時既にリスタは違和感に気づいていたが、その違和感が正しく問題であるかを判定するのは頂上に着いてからだと、口や表情に出す事は無かった。
高地の中腹に差し掛かった所で土砂降りになり、辺りは白雨で視界が遮られつつあった。そんな中でもリスタの観察力が有ればこのエリアにイワヒメ草が生えているかどうかを確認できない事は無い。
結論から言えば一本も見つかる事は無く、このまま頂上へ向かう事を決断せざるを得なかったのだが、そこでリスタは岩壁を登る前に三人に声を掛けた。
「おう、お前ら。もし頂上に着いても何も言うなよ」
「頂上にも、無いかも、って事?」シアが小首を傾げる。
「それも有る」感情を載せない顔でリスタは頷く。「それも含めて、“何も言うな”」
言外に何かしらの異常が有る可能性を認識した三人は、慎重に頷き返し、それを見たリスタはそれ以上言葉を掛ける事無く再び岩壁を登り始めた。
長い長い絶壁を登り詰めたリスタが頂上に辿り着き、そこに見える景色、そこに存在するモノを見て取った瞬間、獰猛な笑みを出さずにいられなかった。
ゆっくりと後続のハンターに道を譲り、自らはイワヒメ草が生えているポイントを探すべく音を立てずに、気配を殺して歩を進めていくリスタ。
そんなリスタの後を追って頂上まで登り詰めた三人が視認したのは、――大型モンスターが退屈そうに頂上のエリアを闊歩している姿だった。
高地に来た事が初めてなら、その大型モンスターを見たのもこれが初めてだった。
青銅のような青い甲殻と鱗を纏った飛竜種。頭の先には鋭く長い角が伸びているのが特徴だろうか。その大きさは人間の何倍も有る。噛みつかれただけで成人男性なら頭から胴体の半分まで根こそぎ持っていかれるだろう。
そんな怪物が、くわぁ~っと暢気に欠伸をして佇んでいる。
シアもゼラフもクーリエも、同時に声を上げそうになり、同時に三人が三人、別々の口を押さえて沈黙を強制した。
互いに口を押さえられた状態で、互いに目配せし合い、コクコクと頷き合うと、気配を殺して、物音を立てないようにリスタを追い駆ける。
リスタは採集ポイントを丁寧に確認し終えたところで、難しい表情を浮かべて三人を振り返ると、小さく首を否と振った。ここにすらイワヒメ草は無いと。
三人はそんなリスタの反応を意に介さず、「アレは何だ!」「聞いてないぞ!」と必死に物音を立てずにジェスチャーして表現するも、彼は面倒臭そうにメンチを切り返すだけで応えなかった。
そのまま地続きの洞窟エリアへと進んで行くリスタに、必死に追い縋る三人。
パキリ、と。
洞窟の入り口に差し掛かったところで、ゼラフが小枝を踏み潰した音が、微かに頂上のエリアに響いた。
まさか――まさかこんな土砂降りの中で、そんな小さな音に反応する訳が――――と恐る恐る振り返ると、謎の青き飛竜は明らかにこちらに意識を向けており、ゆっくりと鎌首を擡げると、「――バオオオオォォォォ―――――ッッ!!」大音声の怒号を張り上げ、凄まじい勢いで駆け出した。
「ウワァーッ!?」遂に我慢の限界だったゼラフの口から叫喚が漏れ、咄嗟にボーンランスの盾と槍を構え、ガードの体勢に入った。
その声が合図だったように、リスタは取って返すように全力で青き飛竜に向かって駆け出して行く。
シアは咄嗟に距離を取り、クーリエは落ち着いた様子でクロオビボウガンを構え、即時に臨戦態勢が整う。
土砂降りの雷雨の中、未知の飛竜との狩猟が、そうして幕を開けた。
🌟後書
と言う訳で今回のお話から新規で書き下ろしたものになります。大変お待たせ致しました…! たぶん今時のハンターさんの殆どが知らないであろう狩猟地、高地。メゼポルタないしドンドルマで活動していたハンターさんなら知っているであろう、古き懐かしき地です。 そこに現れる、青き鱗の長い角が特徴のモンスターと言えば、老練たるハンターなら気づく筈です。あぁ、奴が現れたのか…と。 今回は大型モンスターの名前すら出てこない不親切仕様でしたが、たぶん次話辺りで真名解禁される筈ですので、どうか楽しみにお待ち頂けたらと思います(´▽`*) と言った所で今回はこの辺で! ここまでお読み頂き有り難う御座いました!
🌸以下感想
とみ
更新お疲れ様ですvv
とっても懐かしいですw奴ですね、尻尾苦労しましたww
リスタくん装備からは想像できないほどの能力を秘めていそうなのですが、一体何者でしょうか?少年誌ですからと言われればそれまでですがw
やはり鍵を握るのは彼、ゼラフくんですかねぇw
フウッチャくんたちのスケッチ…ぜひみてみたいなぁ。
てか続きめちゃめちゃ気になるのですが、更新プリーズ!!
今回も楽しませていただきました~!
次回も楽しみにしてますよーv
2024年1月30日火曜日 0:47:29 JST
夜影
>とみちゃん
感想コメント有り難う御座います~!(´▽`*)
懐かしいですよねwww尻尾切断に苦労した記憶しかない…!www
そうなんです、まだまだ秘密を抱えていそうなリスタ君、少しずつその能力について語っていく予定です…! 確かに少年誌だからと言うのも有りますが…!ww
鍵を握るのはゼラフ君!ww 確かに確かに!ww 今後も彼から目を離さずお付き合いくだされ…!ww
フウッチャ君達のスケッチ、テキストとして表現するのは限界がありますけれど、きっと素敵な絵に仕上がっている筈…!
次話はもう暫くお待ちくだされ~! 2月中の更新を目指します!┗(^ω^)┛
今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいです~!
次回もぜひぜひお楽しみに~!!
2024年1月30日火曜日 8:03:59 JST
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